リモートシャック運用に使う回線とISPについて
最終:2017.9.20
1.インターネット接続プロバイダー(ISP)の選定
リモート接続する双方を極力、同じISPにしましょう。ISPが異なると一般に事業者間の相互接続点(IX)を
経由するので、ネットワーク距離(中継するルーターの数とこの間の遅延)が長くなって遅延が大きくなります。
遅延は、同一都道府県内で、同じISPの場合は10mS以下、これがISPが異なると一般に東京と大阪に設置の
IXを経由するので50mS前後のDelayになります。
実際に自分が使っているISPがどのようなバックボーンになっているかは、Routetraceコマンドで
トレースしてみると解ります。(Windowsの場合はtracertコマンド)
ISPとバックボーン(インターネット内中継回線)は、異なる事業者の場合もあるので、確認が必要。
ちなみに、私が使っているISPはBBExciteですがバックボーンはIIJで高速です。
[2016.10] BBExciteは、夜になると超低速になるので、頭にきてOCNに変更しました。
DoCoMoのmoperaもIIJに接続されており、ドコモのデーター通信を使う場合はIIJのバックボーンを
使っているISPならIXを通らないので遅延が少ないです。私はIIJとのかかわりはありませんが(^^)
2.リモート運用への影響
実際に運用してみると、①流すデーターが少ない、②遅延が小さい、③速度が速い ほど快適なります。
特に単位時間当たりの流すデーターが多いほど快適さがなくなってきます。
音声のデーターと他のデーターを通す場合にサウンドデーターの間に他のデーターがはいるので
サウンドのジッタ(ゆらぎ)で音がふらつく感じになります。♪♪良い湯だな♪♪は風呂の中だけ!!
このようになった場合は、データー量を少なくするチューニングが必須です。
私は、RDPとリモート局の音(Skype)だけに絞って伝送しています。カメラの動画などはもっての外です。
VoIPソフト等の選択や論議より、まず、中継ネットワークの影響を最小にすることに注力するべきです。
3.固定回線の場合
他のPageにも書いていますが、私の使っているInternet接続環境は次の物です。
広島市の私の自宅:NTT-Westひかりnext
松江市近郊のリモートシャック:CATVで、下り30Mbps、上り1.6Mbpsですが実態は上り1.5Mbps程度です。
[2018.9]やっとNTT-WestのひかりサービスエリアになったのでひかりNextに更改しました。
当初は心配しましたが、データー伝送量をチューニングすることで、全く問題なく使えています。
[2017.9追記]微弱信号モード(JT-65,9、FT8等)でWatere-fallとスペアナを表示すると1.5Mbps
程度のデーターが流れるので、2Mbps以上の帯域が欲しいです。
実際の通信状況はこちら IPカメラのネットワーク負荷
4.移動体通信サービスの場合
リモート運用で一方のInternet接続に固定回線が使えない場合は、移動通信のLTE(3G)、WiMax等で接続するしか
手段が残っていませんね。
ドコモのLTE(3G)のUSBデーター端末をYamahaのVPNルーターRTX1200に接続して検証評価をしました。
ネットワーク帯域は、前述のように300kbpsもあれば実用になるので、3Gでも大丈夫と予想しています。
キャリアは研究開発部門を持っていて信用できるDoCoMoのLTEサービスであるXiで行いました。
使ったデーターカードは、USB接続のL-3Fです。
このUSBデータ通信モジュールの接続モードは、WANとPP接続のどちらでも使えますがWAN接続モードを
持っていない各社の機種が多いため、どの端末も持っているPPモードで検証した。
結果は、Delayが70mSec程度で、十分に実用になりそうです。
ただし、パケットを送る時に、時々、最初の1パケットだけが異常に大きな遅延になる場合があります。
これをアプリが容認できない場合は、アプリが正常に動かなくなる可能性があります。
実際に7MHz、SSB、国内QSOで、6局のQSOをしてみました。遅延による違和感は全くなしでした。
フルブレークインで、CWコンテスト時等に相手応答が超速い場合は、頭切れになる可能性があるかもしれません。
ただし、数日間のテストの中で、リグControllのARPC-590がコントロール不能になり、マスクマネージャーで
プロセスを停止して、ARPC-590を再起動したことがありました。他には異常はありませんでした。
測定結果のPDFは、 こちら1 こちら2 こちら3
4.移動体通信サービスを使う場合の注意事項
(1) 使用するISPの接続サービス
PPTPが通ること。 必ずグローバルIPアドレスをリースするサービスが必要。
途中でnat変換するサービスは、Intaernet側からの接続ができない。
(2) 想像外のデーターが流れる危険性があるので、可能な限りフラットプランにすること
(3) 電波の使用状態で通信速度が影響を受けたり、速度規制がかかったりするので、固定回線とは
環境が異なることを認識して使うこと。