4SQ用 LCマッチングの検証
分配器出力の低インピーダンスを50Ωに戻す実験 最終:2017.2.19
4Port-HYBのトランシーバー側のインピーダンスは、50/4=12.5Ωです。これを50Ωに戻すためのインピーダンス変換の検証です。
理論的には、フェライトコアで1:4インピーダンス変換をすれば簡単に済むだろうと思い検証した結果は配線のインダクタンス成分と
ストレーキャパシタンスが加わるので想定した結果が得られませんでした。次にJA6ARJ/和田守さん推奨のLC-Mutchingを検証します。
1.回路と使用部品、適合周波数
送信機側にコンデンサーを並列、コイルを直列に入れる。手持ちに500PF(実測494PF)のドアノブ型があったのでこれを芯線と
外被間に接続、直径3Cm2Turnのコイルを同軸の芯線側と4分配器のHot側に直列に入れる。
この部品定数での適合周波数は、計算すると10MHz近辺になり、Ham-Bandの10.1MHzの時はCp=546PF、Ls=0.34uHです。
2.検証結果は、うんOK Excerent!! (^o^)
指でコイルのインダクタンスを変えて最適状態を探ると、中心周波数(9.8MHz)で、インピーダンス=50.0-j0.4Ω、SWR=1.01
周波数が500KHz離れる(9.3と10.3MHz)とSWR=1.15 です。帯域が非常に広いですね。
この状態でアマチュアバンドの10MHz帯では、SWRが10.1MHz=1.11、10.15MHz=1.13 です。
バリコンを付けなくても500PFの固定コンデンサーで10MHzは全く問題ないです。
SWR特性
SWRは、このように500KHz離れても1.15です。信じられない方がいても、これが実測です。
LCマッチング回路のQが非常に小さいからです。
[トラブルを想定したテスト]
4本のアンテナエレメントの内、1個のアンテナ端子がオープンまたはショートした場合のSWRを測定してみました。
オープン時のSWR=1.7、ショート時のSWR=1.6 です。
これなら、エレメント4本のうち1本が異常になっても送信機のダメージはないですね。ただし、エレメント1本が異常でも
3/4のPowerでQSOできるので注意が必要です。エレメント1本が風で倒れていたけど珍局のPeditionをGet!!
これって笑える??(^o^)
2.測定に使った計測器
RigExpertのAA-30:回路のインピーダンスとSWR LC Meter ⅡB:LCの単品測定
3.測定中のバラック状態
左半分が4分配器、中央の抵抗4個は51Ωでアンテナエレメント代わり、右側のコイルと青いコンデンサーがマッチング部です。
右側の同軸コネクタがシャック向け同軸ケーブル接続端子です。本番のコイルはもっと太い線を使います。
4.検証結果
フェライトコアを使った1:4のインピーダンス変換では、期待した結果が得られませんでした。
LCマッチング(インピーダンス変換)では、少々ラフに配線しても、実数部を50Ωにし、虚数部キャンセルして
理想のマッチング状態を得ることが可能です。コンデンサー部分は、固定コンデンサー+バリコンで、
コイルはインダクタンスが小さいので簡単に空芯で作ることができます。さらに、
想定していた通り、マッチング回路のQが非常に小さいので非常に広帯域特性になります。
きちんと、LCの調整をすれば比帯域が大きい3.5~3.8MHzでも全帯域SWR=1.1以下が実現できるでしょう。
さすが、JA6ARJ/和田守さん推奨です。
5.7MHz用に作りました(本番用です)
ヤフオクでバリコン(VC)と高圧セラミックコンデンサーを入手して7MHz本番用です。
VCは、TS-520からの取り外し品で200PF、耐圧は1KVと見ました。
コンデンサーも中古で330PFと250PFの並列です。これで、約600PF~780PFの可変範囲です。計算値は777PFです。
2mmmのホルマル線でCoilを巻いて調整開始です。アンテナインピーダンス計を接続してインピーダンスの
虚数部が0(ゼロ)になるようにVCを調整します。この時の実数部が50Ωより小さい場合はインダクタンスが小さすぎる。
実数部が50Ωよる大きい場合はインダクタンスが多すぎます。
巻き数と巻き幅を変えながら、VCを調整して虚数部が0(ゼロ)の時の実数部が50Ωになるまで追い込みます。
結果は、期待した通りになりました。VCの容量は、約1/3羽根が抜けた状態です。
中心周波数7.1MHz 帯域内1.1以下です
1MHz離調でも1.5程度です
同軸コネクタの所にマッチング回路(LC)を付けて調整しました。Coliは内径3cmで3.5Turnです。
これで、移相反転と90度位相用同軸、ビーム方向切換リレーを追加して配線をすれば、完成です。