アンテナ切替リレー作成の常識と落とし穴

アンテナ切替リレー作成の常識と落とし穴                           2013.07.06

某OMとの話しの中で、アンテナ切替リレーの作成を依頼されたので、「安易に良いよ」と引き受けて作成して
お送りした。
 結果は、電波の回り込みで、私が頒布しているアンテナ自動切替機のCPUがお亡くなりになるという事態に
発展した。
  トロイダルコアを数個入れても1.9MHzでの回り込みが完全に対策できないとの事なので返品してもらった。
  この1週間、なぜだろうと考え続けた結果、あれっ??。 過去に、私も含めメーカー等も普通にやっていることで、
大間違いがあることに気づいた。 次の回路が作成したアンテナ切替リレーの等価回路だ。

ANTrelay1

 DCリレーでは、リレー・コイルのキックバック(逆起電力)吸収のために上の図のようにDIODEを追加 する
のは、常識だ。
さらに追加でコンデンサーを付けるのもよくやる手段だ。 実は、ココに大きな落とし穴があった。
使っているダイオードは、 汎用整流用ダイオード1000V1Aの1N4007だ。また、並列に入れている
コンデンサーは、高周波が乗ったときのバイパス用として、500V0.01uFの円盤セラミックコンを付けた。
じっくりと、この回路を交流的視点で見るとRelayは、1:数百回巻き?のトランスになっている。
  このトランスの1次側(右側)は1TurnのCoilで、電流が流れれば当然に2次側に電圧が誘起する。
1Kw、50Ωの時の尖頭電流は約6.3Aとなる。これにより2次側(左側)に100V近い電圧が誘起される
ことが解った。
  切替え用のリレーは、超一般的なオムロンのLY-2パワーリレー(+12V,75mA)だ。 ダイオードの規格表
には当然、50Hz と60Hzの記載があるだけで周波数特性など書かれていない。
 電磁リレーだからコイルは鉄心であり、高周波的に誘起電圧は小さくて無視できると思い0.01uFの パス
コンを付けていたが大きな間違いだった。
 ダイオードも一般の電源整流用であり短波帯で正常に整流されるとは思っても見なかった。
一般の電源整流用のダイオードは、短波帯でも普通に整流器として動作している事が解りました。
 さらに悪いことに0.01uFの平滑コンデンサーが付いている。 ダイオードの両端の電圧は、リレーのコイルに
誘起、整流、平滑された電圧が電源に直列に加わり テスターの50vレンジが振り切るような電圧になっていた。
この電圧は、当然だが整流・平滑された直流だからフェライトコアを使ったフィルターは素通りして電源電圧の
上昇に直結する。
 それでは、対策は? ダイオードは必須であり除くことができないので残し、 送信パワーが小さい場合は
影響はないが、ハイパワーの場合は、コンデンサーなど絶対付けないこと。
  現状ではこれしか思い浮かばない。
 さらに、配線のストレーキャパシタンスの影響が心配なら誘起される 高周波の電力見合いの ブリーダー
抵抗を 並列に入れるしか方法はないだろう。
今回は、慣習と変な安心のために付けたコンデンサーが大きなトラブルの要因になってしまった。 DCリレーの
両端にコンデンサーを付けることは、昔からの慣習だがどこでも付ければいいという物では ない事を身を
もって知らされてしまった。